「協働事業の振り返りと成果共有会」(2026/8/28開催)
2026.10.31
~協働のこれまでとこれから:新たな一歩をともに踏み出すために~
平成21(2009)年に制度の運用が始まって以来、平塚市では行政と市民活動団体によるさまざまな協働事業が展開されてきました。
一方、ここ数年は提案数が減少し、「協働疲れ」という声も聞かれるようになっています。
しかし、地域課題はますます多様化・複雑化しており、行政や市民活動団体が単独で解決することは難しくなっています。だからこそ、改めて連携・協力のあり方を考えることが必要ではないでしょうか。
そこで今回、これまでの協働事業の成果や課題を共有し、これからの協働を進めていくために必要なことを考える機会として、「振り返りと成果共有会」を開催しました。
開催日:2026年8月28日(金)14:00~16:00
場所:ひらつか市民活動センター
参加者:平塚市職員……3課5名
市民活動団体…13団体17名
他市町職員……2市町3名
地域団体………1地域3名
企業・その他…4名
オブザーバー…4名
事務局…………6名
計42名

【事例紹介】
①NPO法人平塚のら猫を減らす会×環境政策課
「地域猫」への取り組み事業
のら猫の繁殖による糞尿被害、鳴き声等「苦情や住民同士のトラブル」解決や、人も猫も共に暮らしやすいまちを目指し、
①市民への啓発、「地域猫」PR活動、猫トラブル調整
②猫の適切な飼育の啓発活動と地域の環境整備補助、TNR活動
※TNRとは…Trap(捕獲)、Neuter(避妊去勢手術)、Return(元の生活地に戻す)こと
③譲渡会等で猫の里親募集
などを実践しています。
平成23年度~平成25年度の3年間の協働事業終了後は協働型委託事業として定着し、現在まで継続しています。
②NPO法人ぜんしん×青少年課・中央図書館
図書館でのボランティア体験を通じた、不登校・ひきこもりの改善と自立支援事業
中央図書館でのボランティア体験を通じて「自信と自立」の意欲を高める事業を行いました。
図書館で手が回りきらなかった本の修繕や書架整理を行うことにより、当事者の自立意識の向上やリピーターの増加などの成果に加え、図書館利用者の利便性も向上しています。
協働事業終了後も中央図書館との連携を継続し、現在は中央図書館の休止に伴い北・西・南図書館にて事業を行っています。
過去には、青少年課との協働事業で、不登校・ひきこもりの親子に「居場所」の提供活動も実践されました。
③認定NPO法人フードバンク湘南×環境政策課
平塚市食品ロス削減事業並びに相対的貧困解消事業
支援が必要な方へ食品を届けることで、食品ロスの削減と貧困問題の解消を目指して活動しています。
しかしながら、企業等へ協力を依頼するハードルが高い上に、食品収集と配布の活動が煩雑であるため、DX化により効率化と見える化を図りたいと事業提案しました。
協働事業では、Webアプリ「フードバンク業務管理システム」を開発・導入し、食品の入庫や保管、提供に関する処理をシステム上で管理・確認できるようになりました。このシステムは、全国フードバンク推進協議会に推奨され、全国のフードバンク団体に広がったほか、能登半島地震の際にも活用されました。
④ひらつか着地型観光推進委員会×商業観光課
着地型観光プログラムの開発とイベント周知及び実施
平塚の魅力を観光資源として活かし、観光のまちとして発信していきたいという市職員の思いから始まった取り組みです平塚市内に点在する様々な地域資源をまとめ、編集し、さまざまな学びを得られる観光プログラム”ひらつかまちまるごと学び舎構想”と題して取り組みました。
新型コロナウイルスの流行により、開催数を減らして実施するなどのご苦労もありましたが、平塚を初めて訪れる方や、多くの市民の方に平塚の魅力を感じてもらう企画が行われました。
行政提案型協働事業として3年間行われ、協働事業終了後は平塚市観光協会の事業の一つとして継続しています。
⑤ひらつか市民活動連絡協議会
市民活動団体間の連携強化と活動拠点の機能強化
(1)協議会の分野別部会の「花のまちづくり部会(現在は平塚花のまちづくりの会)」が、「平塚駅南口噴水広場からの景観まちづくり事業」に取り組みました。当時の噴水広場にはモズの巣が数多く見られ、駅を利用する方々にとっても悩みの種となっていました。そこで、南口駅前の景観を良くしたいと以前より地域のサークル活動としてバラを育てていた方々にお声掛けし、広場の環境整備に取り組み始めました。その様子を見た平塚市は噴水広場の整備に着手、会の皆さんの丁寧な草刈りやバラの育成で、現在では市民の憩いの場、バラを愛でる場として広く活用されています。
(2)また同協議会では「平塚市内にバリアフリートイレの情報がない」ことを課題として「平塚ユニバーサルデザインプロジェクト」を発足し、市内の公共施設や民間店舗等のバリアフリートイレの現状調査を開始しました。
福祉にやさしい平塚市を標ぼうするからには、障がい者や高齢者が気軽に利用できる施設やまちづくりが大切です。同会では、2012年に「みんなのトイレ情報」を発行、2014年には改訂・Web版の開設を行いました。
2017年にはこども家庭課より依頼があり「ひらつかわくわくマップ」へ情報提供し、現在ではそこからもみんなのトイレ情報が閲覧できます。
【協働事業の振り返りと課題】
平塚市協働推進課の職員から、これまでの協働事業の状況や課題について説明がありました。
これまで協働事業を担当した課からは、
・行政だけでは把握できない課題に目を向けることができた
・抱えていた課題の解決につながった
といった成果が挙げられました。
一方で、
・モチベーションの維持が難しい
・人手が足りない
・制度が複雑である
・行政側が市民活動団体の活動を十分に把握できていない
といった課題も明らかになりました。
協働推進課からは、制度の見直しも含め、行政と市民活動団体それぞれの力を活かしながら、協働を進められる体制を整えていきたいとの話がありました。

【グループワーク】
これからの協働を進めていくために、それぞれの立場で出来ることは何かを考えました。
行政・市民活動団体、自治会、まちづくりに関心を持つ方々からたくさんのコメントが寄せられました。
(コメント一部抜粋)
・提案しやすい窓口やプラットフォームの設置
・対話しやすい場づくり
・失敗を認め、小さく試せる仕組みづくり
・それぞれの役割分担の明確化
・人事異動後も柔軟に対応できる体制
・事務手続きの簡素化

【アンケートから】
ご参加いただいた方からのアンケートでは
・協働事業終了後も継続発展できるような仕組みも必要なのだと感じました。
・モチベーションアップにつながる仕組みを作って協働の動きを継続的なものに
・協働事業を(協働を)促進していくために、制度の見直しも必要かもしれないですが、本日のような会を定期的に設け、協働のしくみや価値を共有していくことも有効ではないかと感じました。
など、たくさんの感想をいただきました。
また、
・事例紹介だけではなく、協働事業の説明をもっと聞きたい
・こういった会は定期的に開催し、学びと交流の場にしていきたい
と次回の開催を楽しみにしてくださっている方も多くいらっしゃいました。
【おわりに】
「協働のための地域」から、「地域のための協働」へ
これまでの「協働」は、行政と市民活動団体が一緒に事業を行うことを中心に発展してきました。
これからは、協働という枠組みに地域を合わせるのではなく、「地域をよりよくするために、誰と、何を、どのように行うのか」という視点から、それぞれの主体の役割やつながり方を考えていくことが必要ではないでしょうか。
「協働」は、次のフェーズに入っています。
行政、市民活動団体、自治会、企業など、多様な主体がそれぞれの立場や強みを活かし、ともに考え、対話しながら、小さな実践を積み重ねていく。
よりよい地域づくりに向けて、そうした対話と連携の場を育てていきたいと思います。
これまでに実施された協働事業は、こちらからお読みいただけます。
平塚市Webサイト_平塚市で実施された協働事業