あったらいいな!こんな場所「やりたいことを実現するための拠点づくり講座」 開催報告(2025/12/13実施)
2025.12.26

あったらいいな!こんな場所

「やりたいことを実現するための拠点づくり講座」

 

日時:2025年12月13日(土) 13:30~15:30

場所:ひらつか市民活動センター 会議室AB

参加者:拠点づくりに関心がある人、これから活動を始めようとしている人、すでに活動をしている人等 市内外の個人やグループ  14名(子ども1名含む)+事務局6名(インターン2名含む)  計20名

登壇者(事例紹介):にじカフェ 代表 銭坂 則子さん にじカフェHP  、わってらか 代表 五十嵐 敦子さん わってらかHP

 

1.実践事例の紹介① (30分)   

  登壇者:にじカフェ代表  銭坂 則子 さん

 

にじカフェは神奈川県茅ケ崎市に拠点を置く、“人生を最後まで楽しく生きる!を応援する コミュニティカフェ”です。

始まりは看護師をしていた銭坂さんが出会った、ある患者さんのひと言から。
「本当は美味しいコーヒーを飲みに行きたいけど、みんなに迷惑かけるからあきらめて缶コーヒー飲んでいるの。」
その方は余命2ヶ月と言われていました。
酸素マスクしていても、車椅子でも、気兼ねなく入れる温かい食べ物と飲み物があって、心もからだもぽかぽかになれるカフェを作ろう!

みんなが参加型のコミュニティカフェという居場所、銭坂さんが目指す拠点の原点にはそんなエピソードが存在しているのでした。

 

2011年にアロマセラピストとして自宅サロンを開業した頃、銭坂さんが感じていたことは、セルフケアを伝える学びの場所の必要性と、体の中から整えられる食の場があるとよいなのではないか、という思いでした。カフェ+サロン+スクール という形をイメージし、まずは仲間作りが必要と考え、2016-2019年は女性のためのナチュラルイベント「Happy Rainbow」を開催していました。

そんなある日、先のコーヒーエピソードの患者さんに出会い、2019年3月27日“しあわせのカフェプロジェクト”を発足しました。

そして、思いもよらずにコロナ禍に突入。銭坂さんはコロナ禍ではやれることをやろうと、2020-2022年は“にじカフェプロジェクト”に名称を変更、Instagram・FB・YouTube・LINE・オンライン講座等の情報発信の基盤づくり、新商品開発、田畑の農作業などをしながら、資金作りを進めていきました。

やれる時にやれることをやろうと活動しながら拠点の場所を探していた時、活動場所の拠点となる現在の物件に出会い、2022年10月にじカフェをオープンしました。

オープン~現在までは、つながりフェスや子どもフェス、介護のお話会、414(よいし)カードを通じて死生観について対話する会、認知症サポーター養成講座、などを開催し、令和6・7年度は茅ヶ崎げんき基金に「人生を最後まで楽しむための「414カード生死観対話会」と「大切なものを見直す終活お話会」」事業が採択されました。

 

にじカフェの銭坂さんが拠点づくりに必要だと思う事として

1.明確なビジョンと計画

2.仲間

3.資金

4.場所

5.あきらめない気持ち

を挙げていただきました。

今後の課題としては、収益を得る新たな方法の開拓、行政との連携、仲間づくりなどがありますが、新たな挑戦として茅ヶ崎市内で畑を借りて高齢者やリハビリが必要な方々・学校に行けない子ども達など多くの人に関わってもらいながら、野菜やハーブを育ててカフェでお料理として提供することを目指しているそうです。

 

 

2.実践事例の紹介② (30分) 

  登壇者:わってらか代表  五十嵐 敦子 さん

わってらかは小田原に拠点を置く、“親子と地域の人が出会えるまちの居場所”です。

五十嵐さんはご自身のまちづくりに関わる経験、知り合いゼロからの育児、そして小田原に5年前に移住したタイミングで、“いつでも人に会えるまちの拠点をつくりたい”という思いがありました。

 

まずは小田原の歴史や自然を慈しむ人たちのとのつながりを、新旧・親子・多世代で持つために、2021年地域の場で「親子・こどものあそび場」の活動を始めました。

そして親子・子ども主体の誰もが参加できる遊び場としての駄菓子屋やカフェや親子遊び、地元を知るための消防署見学やまちあるき等の企画、実施していき、コロナ禍中に子育て真っ最中の母親5名が中心となって立ち上げた後、活動の輪は広がり、現在は10名でそれぞれの力を発揮して運営しています。

 

これまでの活動を常設の場で行いたい、その思いは強くなり、そのためには以下の3つのポイントがありました。

・ゆっくり関係性を育みたい「話したいときに」来られる場をつくること

・地域の人にあたたかく支えられる活動にしていくこと

・子どもの成長を見守ること

 

現在の常設の場になるまでに、2023年度は親子まちあるき・延べ50件にもおよぶ空き家調査・居場所勉強会・事例視察・こどもワークショップを行っていき、2024年5月、小田原十字町商店街の歴史資料館「ヒストリア」の場を賃借、自分たちですべて清掃・壁ぬり、床貼り改修をしながら勉強会、こども企画開催。クラウドファンディングを実施してついに、2024年10月に「まちの居場所カフェわってらか」がオープンしました。

常設の場だからできること、を五十嵐さんは次のようにお話ししてくださいました。

多様な関りと役割の場になることで、こどもと大人の出会いが生まれる。緩やかなつながりからこどもの見守り・育児の悩み相談・楽しい企画が生まれる。関わる人が更に輪を広げてくれる。

わってらか=わっか(つながり)+てら(てらこや、terra〔大地〕)

 

まさに、わってらかの語源となっているものが体現されている場になっています♪

今後は、

・つなぐこと、丁寧な関わり

・より広く多くの人への周知

・体制・基盤強化、事業運営、行政・地域団体との対話

を軸にさらに活動を行っていきたいとのことです。

 

 

3.ゲスト・コーディネーターを交えたディスカッション      (40分)

コーディネーター坂田(ひらつか市民活動センター センター長)と登壇者お二人とで、参加者の方々のご質問にお答えするディスカッションを行いました。

ディスカッション、質疑応答の一部を以下ご紹介します。

Q1:スタッフは有償ですか?

五十嵐さん:カフェに携わるメンバーには支払っているが時給数百円程度です。雇用するにはどうすればいいか考えていきたいです。

銭坂さん:月の売り上げから材料費等を抜き、余ったら分配しているが、余ることは少ないです。基本は飲み物等をお礼として出しています。

 

Q2:メンバー間での共有時に大切にしていることは?

五十嵐さん:ミーティングはあえて業務報告以外の話をしています。みんなが話せるようにしています。

銭坂さん:いいことも、悪いことも言い合える仲間になることを意識しています。

 

Q3:どのくらいの来訪者があれば黒字になる?

五十嵐さん:利用者=カフェ利用客というわけではない(雑貨を見に来る人など)ので指標はないです。そのかわりワークショップやおやこひろばなどで参加料をいただくようにしています。

 

Q4:法人化しない理由について

銭坂さん:法人化すると色々な制限などが出てきてしまう。好きなように運営していきたいので、今後も法人化は視野に入れないと思う。

 

 

■参加者アンケート結果より (一部抜粋)

回収数:13枚(100%)

■満足度:とても満足6/満足7

・自分の団体と比較することで、足りないことが見えました。

・既に拠点を作られているお2人のお話をたっぷりと聞く事が出来たので自分の活動に活かせることができます。

・仲間作りの失敗談なども聞くことができた事

・拠点づくりにおける大切な本質をみれたきがする。

・テーマ、ビジョン 絵にできるくらいにはっきりとしたものが必要ですね

・NPO化が必須と考えていたが、そうでない方法もあることがわかった。そのメリット、デメリットを知る必要性を感じた。

■活動のヒント:得られた12/わからない1

■意見/感想

・理想と現実の厳しさ、大変さを感じました

・今後の自分の活動をどうしていくか参考にしたいと思います

 

 

閉会後も参加者同士でそれぞれの活動について話をしたり、情報交換をする姿がたくさん見受けられ、コミュニケーションの場にもなっていました。

 

今回ご登壇いただきました、にじカフェの銭坂さん、わってらかの五十嵐さん、ひらつか市民活動センターにお越しくださり貴重なお話をいただきましてありがとうございました。

参加者の皆さま、ありがとうございました。当センターでは「何かやってみたい」「何か始めたい」人に向けた各種企画を来年度以降も開催予定です☆

センターHPのトピックス欄で随時お知らせしていきますので、是非またご参加ください♪

 

2025.12.26    センタースタッフ記