防災座談会~誰も取りこぼさない共生社会に向けて~開催報告(9/30実施)
2022.10.12

9月30日(金)14:00~16:30

認定NPO法人かながわ311ネットワーク 代表理事の伊藤朋子氏をお迎えし、

戸建てとマンションにおける防災対策の違いや平時の心構え

マンションでの被災と復興についてお話を伺いました。

 

 

昨今の災害つづきで防災に対する関心は年々高まっています。

ひらつか市民活動センターでは毎年「防災連携」をテーマに

関係する皆さまと話し合いを重ねています。

平塚市では、ここ数年、マンションの建設が目白押しとなっており、

マンションにおける防災対策が課題となっています。

今回は近隣住民・自治会、災害関係団体の方々はじめ

総勢33名の参加があり関心の高さが感じられました。

 

認定NPO法人かながわ311ネットワークは防災教育事業と、

マンションなど集合住宅住民に対する防災講座などを軸に活動をされています。

代表の伊藤さんは熊本地震をきっかけに地元での防災力の向上に力を入れており、

またマンション防災についても先駆的に取り組まれ、

自治会や地域防災拠点出張講習会などを開いて、防災の重要性を広めておられます。

 

伊藤さん

「皆さんは災害が起きた時、とりあえず指定避難所に行かなければと思っていませんか?

指定避難所は自宅に滞在することが困難な場合に滞在するところであり、

場合によっては被災してもすぐに公的な救助や支援が受けられないかもしれません。

 

マンションは建物が頑丈というメリットがあるので、

避難所に行かずにマンションでの生活を継続することを想定し、

共用設備などで被災後の数日間を乗り切るための備えが必要です。

 

一方でマンションは専有部分、共有部分など権利問題が複雑に入り組んでおり、

インフラの復旧に時間がかかり被害が長期化するという側面があります。

「デベロッパー」「管理会社」「住民(管理組合)」という三者の役割を、

日頃から明確にすることが大切ですね。

 

まず管理会社の協力のもと防災設備ツアーを開催するなど、

自分が住む物件の構造と体制を確認して、防災対策を把握することが第一歩になります。

「誰かがしてくれる防災」ではなく「みんなで取り組む防災」という意識を育んでいく

自主防災組織を結成し、助け合える体制を築くことが重要です。

 

大勢の世帯が集まって暮らしていることは防災の面で有利に働きます。

たくさんの世帯が集まる共同住宅であるからこそ、居住者同士で助け合えることは大きな強みです。

日ごろから住人同士の関係を築くことも災害時の助け合いの土台になります。」

 

伊藤さんは、それぞれのマンションで防災力をつけていただきたい、とおっしゃっていました。

 

 

後半は伊藤さんに加え、防災活動団体の皆さん、市の災害対策課を交えて意見交換がされ、

その後の質疑応答では活発な意見交換がされました。

 

<参加団体(敬称略)>

平塚市社会福祉協議会

女性防災クラブ平塚パワーズ

ひらつか災害ボランティアネットワーク

ひらつか防災まちづくりの会

 

防災関連団体の皆さんからは、防災への取り組みやハンデのある方々への対応など

実践的なアドバイスを披露いただきました。

 

参加者の方々からは

・マンションの抱える課題が理解できた。

・戸建てとマンションの住人との意識の違いを知り相互に共有し、町内会として地域防災を考えていきたい。

・各マンションで今回のような防災座談会を開催してもらいたい。

などの感想をいただきました。

 

また、東海大学建築都市学部土木工学科の梶田教授と学生2名に参加いただき、

学生からは、大学で学べなかった分野でとても勉強になった。

今後の研究に活かしたい、とのことでした。

 

センターでは今後も防災について考えていきたいと思います。

 

202210.12記